薬剤師

薬局の薬剤師って何やってんの?!〜番外編.その他の仕事(主に在宅・居宅について)編〜

※現役エリアマネージャーの薬局薬剤師が記載していますので、信頼してお読みください

この記事を読めば、薬局薬剤師が何をしているのかが分かります。



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みなさん、今まで何度体調を崩しましたか?

そんな時に誰しも一度は病院に行き、その後薬局に薬を貰いに行った経験があるのではないでしょうか?

そこで、こう思った経験はありませんか?

「この人(薬剤師)って・・・薬渡してるだけじゃない・・・?」



そう思うのも無理はありません。

だって薬局薬剤師の仕事って、地味(目立たない)だから!!

だけどね、縁の下の力持ちとして見えないところで陰ながらしっかりと仕事をしているんです。

今日はそんな薬局薬剤師の方々に日の目を見てもらいたいと思います。



薬局薬剤師の主な仕事内容



薬局薬剤師の仕事内容

番外編.その他の仕事

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Part1からPart4まで紹介してきた薬剤師の業務ですが、

これはあくまで”外来業務の一部”に過ぎません。

その他の仕事の一例として

  • 薬歴・報告書管理業務(病院でいうところの患者毎のカルテを記入したり・確認する業務)
  • 予製業務(時間のかかる薬の準備を手の空いてる時に済ませておく業務)
  • 発注業務(薬の在庫が多過ぎたり少なくなり過ぎたりしないように管理する業務)
  • 棚卸し(ある一定のタイミング毎に今ある薬の全在庫がどのくらいあるかを確認する業務)
  • 日計業務(いただいた金額と請求した金額が間違っていないかを確認する業務)
  • 裏打ち業務(調剤録を作成し、入力した内容・請求した内容が本当に間違っていないかをダブルチェックする業務)
  • 在宅・居宅業務(医師の指示のもと、必要な患者様のご自宅・あるいは施設までお薬を配達する業務)

ざっくりこんな感じの仕事があります。

忙しい薬局では今まで紹介してきた外来業務の合間に、バタバタとこれらの業務をこなしながら

もうこんな時間か〜!

とか言って1日の仕事を終えます。

逆に薬局や曜日、時間帯によっては忙しくないところがあるので、そんなところでは

まだこんな時間か〜!

とか言って1日の仕事の長さを感じます。

これに関してはどっちが良いのだろうと良く考えますね(笑)

話は逸れましたが、今回は在宅・居宅業務(医師の指示のもと、必要な患者様のご自宅・あるいは施設までお薬を配達する業務)についてご紹介をしようと思います。

薬局薬剤師の在宅・居宅業務とは、医師の指示のもと、一人で薬局に来れないような方の自宅(あるいは施設に入っておられたら施設まで)お薬を配達する業務のことです。

ぐっちゃぐちゃに噛み砕いて言うと、「宅配するよ」っていうノリです。

ここで、注目したいのが「在宅」と「居宅」って何が違うのってところですが、

  • 在宅とは・・・「在宅患者訪問薬剤管理指導」の事で、医療保険を用いたもの
  • 居宅とは・・・「(介護予防)居宅療養管理指導」の事で、介護保険を用いたもの

大きな違いはここ。※どちらも軸となる業務内容はほぼ一緒です。

軸となる業務内容というのは、外来業務と同じように薬の飲み合わせを確認し、正確に薬を調剤し、家(施設)までお持ちすること。

そして家(施設)にお持ちした時に、ご本人(あるいはご家族・施設職員さん)に薬の説明や状態の聞き取りをし、

その内容を報告書として医師(居宅の場合は、ケアマネージャーさんにも)報告書を提出する業務のことです。

他の違いと言えば、

  • 利用料金
  • 居宅の方はきちっとした契約書にサインをいただく
  • 報告書の送り先
  • 半径16km圏内でないとダメ縛り

ザックリこんなところですね。それぞれ見ていきましょう。

利用料金

医療費(いつも薬局で払っているような薬代等)に加えて配達代が上乗せされると考えるとイメージしやすいと思います。
※薬局によっては交通費を実費でいただく場合もあります。

では、いわゆる”配達代”ってどのくらいかと言うと

何人に対して配達するかによって違ってきます。・・・・・っえ!?

この考え方がちょっとややこしいので、今回は1人にのみ配達する場合で紹介します。

1割負担2割負担3割負担
在宅(1つの建物で)お一人に配達する場合650円1,300円1,950円
居宅(1つの建物で)お一人に配達する場合517円1034円1,551円
※2022年4月現在の料金で表しています

これが1回配達する毎に掛かります。

ただし、通常は配達代も週に1回までしか貰えないとか、末期がん患者や中心静脈栄養患者は週に2回まで貰えるとか

さまざまなケースがあります。

詳しく知りたい!と思う猛者は薬局で聞いてみてくださいね♪
逆に薬剤師は説明できるようによく勉強しておきたいものですねっ!

居宅の方はきちっとした契約書にサインをいただく

これも大きな違いだと思います。

在宅の方はフワッとした紙にフワッとサインをいただく感じです。
※もちろん、きちんと同意をいただいた上じゃないと出来ないですよ!!

それに比べ、居宅はカチッとした契約書にカチッとサインをいただく感じです。

あくまでイメージですよ(笑)

まあ、ざっくりとイメージをお伝えするならば

居宅の方が薬局以外にも訪問医師、ケアマネージャー、その他介護事業所等と契約を結ぶ必要があるので

サインが多くて大変〜!っておっしゃる方が多いですね。

ハンコもポンポン押すことになるし、ナイトプールぱしゃぱしゃ状態になるかもしれませんが、

しっかりと説明を聞きながら、一つずつ確実にこなしていければ誰でも出来ますのでご安心くださいね。

報告書の送り先

軸となる業務内容のところでもサッとお伝えしましたが、

薬剤師は配達(訪問)を終えると指導した内容や訪問時の状況などを報告書形式にまとめ、それぞれの送り先に報告書を送っています。

  • 在宅→医師のみ
  • 居宅→医師とケアマネージャーさん

なので、居宅で訪問する事が決まった際に、薬剤師がケアマネージャーさんの連絡先をお聞きする場合がありますが

それは出会いを求めている報告書を送付する連絡先・方法を確認するためです。

その他にも、「ひとつのチームとして一緒にこの患者様をサポートしていきましょうね!」とケアプラン(この患者様はこの状態になることを目標にしてるから、それぞれの事業者はこのように動いていきましょうねという計画書みたいなもの)に組み込んでもらう為にご挨拶の連絡をする目的があります。

決してやましい気持ちで聞いてる訳じゃないですよ〜!

半径16km圏内でないとダメ縛り

これは在宅に限ってのルールです。

在宅は、ご自宅が薬局から直線距離で半径16km圏内でないと訪問出来ませんよというルールが法律で決まっています。
※あまりに周りに薬局も何も無いという吉幾三状態の場合は例外もありますが。

吉幾三さんってご存知ですか?
「は〜 テレビも無エ ラジオも無エ ♪」って歌ってらっしゃるあの方です。

居宅の場合には距離の制限はないのでご安心ください。

あまりに距離が離れ過ぎてたら採算が合わなくて、その事が原因でご迷惑をお掛けする事があるかもしれないので
他の(もっと近い)薬局をご紹介する場合もございます。

ざっくりですが、違いをまとめるとこんな感じですね。

高齢化社会となり、在宅(居宅)業務の重要性が高まっているのを肌で感じます。
地域によってはまだ浸透していないので、この記事を見て気になった方はかかりつけの薬局に相談してみてくださいね♪

最後に、私の中での外来と在宅(居宅)の考え方の違いを記載しておきます。

私の中では

  • 外来は個々で契約をいただいている訳ではないので(かかりつけ薬剤師は除く)なるべく皆さんに平等なサービスを提供する事。
  • 在宅(居宅)は個々で契約をいただいているので、個々に応じてベストなサービスを提供する事。

語弊が無いようにお伝えしたいのは、これは外来に手を抜いている訳ではなく、あくまで自分の中で一つの判断基準として持っているという事です。

それぞれの薬剤師が、それぞれ自分の中で正解と思える判断基準を持ちながら、様々な業務に当たる事で

軸がブレる事なく自分にとっての”患者様にとっての最善”が尽くせるのでは無いかと考えています。

では、最後も真面目に締めていきたいと思います。

ちなみに、”在宅”と”居宅”どっちが”介護”でどっちが”医療”だっけ〜?といつも迷ってしまう皆さんに
とっておきの覚え方を伝授いたしましょう・・・!!
居宅(きょたく)って英語で書くとKyotakuですよね。
介護(かいご)って英語で書くとKaigoですよね。
どうでしょうか。皆さん度肝を抜かれたんでは無いでしょうか。

いや、絶対ふざけてるぅぅっ!!

このテーマを最後まで読んでくださってありがとうございました♪

次回も価値のある情報を発信していこうと考えておりますので、乞うご期待!

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