※現役エリアマネージャーの薬局薬剤師が記載していますので、信頼してお読みください
この記事を読めば、薬局薬剤師が何をしているのかが分かります。
みなさん、今まで何度体調を崩しましたか?
そんな時に誰しも一度は病院に行き、その後薬局に薬を貰いに行った経験があるのではないでしょうか?
そこで、こう思った経験はありませんか?
「この人(薬剤師)って・・・薬渡してるだけじゃない・・・?」
そう思うのも無理はありません。
だって薬局薬剤師の仕事って、地味(目立たない)だから!!
だけどね、縁の下の力持ちとして見えないところで陰ながらしっかりと仕事をしているんです。
今日はそんな薬局薬剤師の方々に日の目を見てもらいたいと思います。
薬局薬剤師の主な仕事内容
- 薬局薬剤師の仕事内容→またそれがどのように直接(間接的に)皆さんの役に立っているか
- その他の仕事(主に在宅・居宅について)
薬局薬剤師の仕事内容
3.薬を準備する(調剤)
Part2.にて処方箋の内容を確認しました。
そしたら次は実際に患者様にお渡しできるような状態に薬を準備していきます!
これを「調剤」と言います。
Part2までで考える作業は終了したので、
ここからは患者様を待たせないために
いかにスピーディーに効率良く動けるかが薬剤師の腕の見せ所となります。
調剤の内容としては
- 薬の取り揃え(ピッキング)
- 一包化、粉砕(Part2で出てきましたね)
- 粉薬を撒く
- 液剤や塗り薬の量を測り、混ぜてから容器に詰める
などがありますね。
準場にご紹介していきます♪
薬の取り揃え(ピッキング)
上の画像のような薬を、処方箋の記載通り(医師の指示通り)に正しい薬を正しい数取り揃える作業の事をピッキングと言います。
ここで薬剤師はこんな事に注意しながら作業に当たっています。
- 薬の名前の似すぎ!
- 規格(〇〇5mgとか〇〇10mg)とかのmg数が紛らわしい!
- 1シートが10個とは限らない!
ざっくりとこんな感じですね。
薬って色んな会社が色んな物を出してるから、膨大な数の薬が市場に出回っています。
そうなってくると名前も似てくるんですよね〜。
例えば、「アタラックス」と「アタラックスP」とか。。。※それぞれ成分が違うので、気付かずに患者様に渡したら「事故」です。
名前似過ぎィィィ!!!!
他にも、「アムロジン」と「アムロジピン」とか。。。※成分は同じで先発品とジェネリックの違いです。
神経使わせ過ぎィィィ!!!!
こういった激似のものが数多くあります。。。
この違いにバチッと気付いて正しい薬を出すことに薬剤師は命を燃やしています。
どんなに目がショボショボしてきても、花粉症でも、二日酔いでも・・・如何なる時でもかなりの精度で間違いに気付きます!
ある意味、特殊な訓練を受けているよね。薬剤師って。
さらに規格が紛らわしいものが追撃をかけてきます(笑)
「薬の名前が似ているものの中から正しい薬を選びました!もう患者様に出していいですか?!」と早とちりしてしまいそうになりますが・・・
ちょっと待てぇぇぃ!
規格までバッチリ合わせぇぇぃ!!
となりますので、まだ気は抜けません。
規格とは、アムロジピン「5mg」とかアムロジピン「10mg」とかのmg数(成分の量)の事です。
こいつがまた沢山あってややこしい。。。
薬それぞれに規格が複数あることがザラにあるので、名前が正しいものを選んだ上で、さらに規格が正しいものを選ばなくてはなりません。
ちなみにアムロジピンについては「2.5mg」、「5mg」、「10mg」の3規格あります。
アムロジピンは血圧を下げる薬なので、もし「2.5mg」の患者様に「10mg」を間違えて出してしまった際には
血圧が下がり過ぎて最悪心停止などの死亡事故に繋がる場合があります。
こんな事があるので薬剤師はどんなにベリーハードな状況でも間違えないように全集中しています。
これまでの数多くのトラップを掻い潜っても尚、追撃をかけてくる猛者もいます(震え)
それが「1シート=10個」とは限らないという事です。
どういう事かと言うと、普通は1シートに10個の錠剤やカプセルが入っているのが一般的ですが
中には1シートに14個とか21個の錠剤やカプセルが入ってるものがあります。
それはまだイージーな方ですが、
中には1シートに10個入ってると見せかけて7個とか、14個に見せかけて12個入っているクレイジーなものがあります。
ここまできたら、もう、笑っちゃうよね。
そんな数多くのトラップを掻い潜り、尚且つ、患者様をお待たせしないように迅速に正確にピッキングする。
それが薬剤師です。
一包化、粉砕
これは時間が掛かる作業なので、効率化が必須です。
ピッキングなどの他の作業をしている合間に一包化のマシーン(分包機)を動かしたり、粉砕のミキサーを回したり・・・
「主婦が食事を用意する時のあの効率の良い動き」や「朝寝坊した時のあの無駄の無い動き」と近い動きをしています。
作業の順番を間違えると、結果として「大幅な時間ロス=患者様をお待たせしてしまう」と言う事に繋がるので
薬剤師は間違えないように且つ、効率的に動けるように脳をフル回転させています。
ここで薬剤師あるあるを1つ。
一包化する為に、薬を1個1個包装から取り出すわけですが、
親指の爪が短いと薬の包装が突き刺さって激痛を堪えながら仕事しないといけません。
→利き手の親指の爪だけ伸ばしがち(笑)
粉薬を撒く
粉薬を正しい量測った上で、分包機やVマス(小児科などに多く導入されている粉薬を撒く機械)で撒いて(パックして)いきます。
ここではいかに一発でその量を測り取るかが大切です。
イメージとしては”精肉店で量り売りの肉を200g注文する時”を思い浮かべてください。
店員さんによっては一発で「200gちょうどですね。」っていう方がいらっしゃいます。
しかし、中には何回も肉をむにゃむにゃと触っては量り直しをし、挙句の果てに「209gですけど、良いですか?(ニコッ)」とおっしゃる店員さんがいらっしゃいますよね。
いかに前者のように正確に一発でその量を測り出せるかが鍵になります。
これも薬剤師の経験と腕の見せ所ですね★
液剤や塗り薬の量を測り、混ぜてから容器に詰める
これも正確に一発で測れた時の、時間短縮と快感は凄まじいですね。
ここでは追加の作業として混ぜることが必要な時があり、時間をかなり費やす&薬剤師が一人その作業に付きっきりとなります。
液剤はそれぞれ液を測りとってシャバシャバ振れば良いんですが、塗り薬(軟膏など)の混合は手間と時間がかかります。
まずは塗り薬をボトルあるいはチューブから取り出します。
チューブから取り出す専用の補助具もあるんですが、中身を根こそぎ取り出すにはコツがいるんです。
取り出した物を軟膏板とヘラを使って練り練りしていきます。
見た感じは「パティシエみたいで楽しそう」に見えるんだけど、
実は腕しんどいねん。
顔には出さんけど、腕ジーンってなっとんねん。
魂と気合を込めて練り上げた塗り薬を容器に詰めていきます。
詰め方のコツを知らずに夢中で詰めてたら、後半になって気づく事があります。
あっれ〜、おっかしいぞ〜。
全部入り切らないぞ〜。
そうなんです。30g容器に30gの塗り薬は、空気が入るなどしてよっぽど技術のある方でないと入らないんです。
隅っこから空気を抜きつつ絶妙な塩梅で容器に詰めていく。
そして最後にトントントントンと机に叩きつけて空気を抜く。
これが理想的なハンバーグの作り方塗り薬の詰め方です。
こんな感じで迅速かつ正確に、たまに職人技を繰り出しながら調剤をやっています。
皆さんも、もし待ち時間に調剤を見れるような薬局だったら
これらの点に注目してみると面白いかもですよ〜。
ではPart4.薬の説明・お渡しをする編も乞うご期待!