”新人薬剤師”のみなさん、国家試験お疲れ様でした。
※現役エリアマネージャーの薬局薬剤師が記載していますので、信頼してお読みください
この記事を読んでくださっている方の中には
この4月に薬剤師になったばかりでこれから勉強を始めていこうと思っている方や、
薬剤師になって数年経つがまだ勉強に着手出来てない方がいらっしゃると思います。
薬剤師は生涯研鑽を積むこととされています。
周りの先輩達からも「勉強しといた方が良いよ。」と言われることが多いと思います。
ただ、勉強する必要性はなんとなく分かるけど、「一体何を勉強したら良いんだろう?」と思ったことは無いですか?
この記事を読むことで、薬剤師がどんな内容を勉強していけば良いのかが分かります。
より実践的な内容はこちらをチェック→【実力UPしたい薬剤師必見!】今日から出来る”実践力”の上げ方をお伝えします!!
がむしゃらに勉強しても効率が悪いんです。
社会人は時間が無く、効率が重視されます。
なので、正しい努力で正しい成果をあげましょう。
それでは、一緒に見ていきましょう♪
目次
勉強をする目的
まずは勉強をする目的からお話しします。
これはズバリ”患者様に安全に薬を使ってもらうため”です。
その他にも自分のスキルを高めたい、薬剤師として実力を認められたい、知識マウントを取ることが気持ちいい、出世して給料を上げたい・・・など色んな目的があると思います。
まずは、自分なりで良いので勉強する目的を定めましょう。
動機は”患者様(他人)のため”でももちろん良いですが、それ以降に挙げた”自分のため”でももちろん良いです。
要するに毎日コツコツ勉強するモチベーションに繋げることが出来れば何だって良いんです。
私の経験上、人は誰かの為に動く時の方が行動の爆発力や持続力があるので
”他人のため”を目的にして勉強する方がおすすめです。
”自分のため”だとつい甘えが出たり、ある程度の成果を出すと目標が無くなって
燃え尽き症候群になるからです。
何事も”世のため人のため”を目的にすると成功しやすいですよ。
それでは以下から具体的な勉強内容をまとめていきます。
薬の知識について
どんな薬について勉強すれば良いか
薬剤師という名前からして「薬のプロ=薬の知識を持っている」というのは大前提です。
ここはしっかりと押さえましょう。
ただ、薬は膨大な数があるので。一から順に覚えていこうとしても正直無理があります。
なので普段主に扱う薬を中心に勉強しましょう。
その中でも特によくピッキングする薬、かなりの割合で患者様に処方される薬は必ず深い知識を持っておきましょう。
そして、普段扱う薬について知識が深まってきたら、次は在庫はあるけどあまり扱わない薬、その後に全く扱わないけどお薬手帳に載っている薬(別の病院から処方されている薬)などについて勉強していきましょう。
あまり扱わない薬については、深く勉強してもどうせ大抵忘れます。
それよりは忘れる前提で勉強するということが大切。
つまり、この薬はこういうところが特徴だな、こういうところはチェックを見落としてはダメだなと思ったら、「メモ帳に書き留めていつでも見れるようにしよう」とか「この処方が出たら添付文書のここの欄を見るようにしよう」といった
キーとなる部分を覚えて、あとは調べるという手順を踏んだ方が、正確かつ見落としが少なくなります。
全て覚えようとせず、時にはずる賢く要領よく正確な仕事が出来るような工夫をしましょう。
そんな事を繰り返していると知らないうちに内容が頭に入ってきているものです。
また、独学で勉強していくと「これは正しい情報なのか?」と精査する時間がかかってしまいます。
正直、書籍を購入して勉強する方が正しい知識が、分かりやすくまとめられているので圧倒的にオススメです。
購入するのにお金はかかりますが、一度買ってしまえば何度でもその情報にアクセスでき、
何よりも勉強時間が短くなるという点では、お金を払って時間を買っているようなものだと考えています。
薬のどういったことを勉強すれば良いか
薬の勉強といっても色んな事を勉強しておかなくてはいけません。
- 警告
- 禁忌
- 慎重投与
- 適応症
- 用法・用量
- 適応外
- どのくらいで効果が出るか
- 作用機序
- 副作用とその対策
- 薬物消失経路
など挙げていけばキリがないです。
まずは警告、禁忌は事故に繋がらないために必須で覚えましょう。それから適応症と投与量、代表的な副作用などを徐々に覚えていきましょう。
この時も、頻出の薬から覚えることにメリットがあります。
それは、「よく目にしている=どのくらいの量が処方されているか、どんな薬と併用されているかを目にしている」ということ。
日々の勉強は日々の業務を正確に効率的にするために行われるべきです。
日々の勉強だけでなく、日々の業務からも学びを多く取り入れましょう。
するとあなたの実力は鰻登りです♪
適応症はハイリスク(特定薬剤管理指導加算)の算定にも絡んできますし、そもそも何に使う薬なのかを患者様に説明できないと服薬指導で話せません。
用法については、「空腹時でないとダメや、食後でないとダメ」などの服用時点の縛りが無いか
用量については開始用量と維持用量、最大投与量は少なくともチェックしておきましょう。
医師によっては開始用量を超えて処方される方がいらっしゃいます。
それが”あえて”なら良いんですが、それを確かめるためにも疑義照会が必要な場合があります。
しかし、そもそもその用量についての知識が無ければ見落としてしまい、思いもしないところで足元をすくわれます。
そうならないためにも要チェック!少なくとも開始用量と維持用量が違ったなということだけ覚えて、その薬剤が処方されたら添付文書を見直せるくらいにはなっておきましょう。
代表的な副作用については本当に頻出のものと、最近DSU(ドラッグセーフティアップデート)の内容を押さえておきましょう。
これを服薬指導の時に活かして、副作用の初期症状やその頻度、服用開始後どのくらいの期間に起きやすいのか、副作用が起きた時の対処法は・・・などを服薬指導の時に根拠に基づいて言えると患者様から信頼される薬剤師に近づきます。
闇雲に副作用の話だけをツラツラと話すと患者様は不安になって薬を飲んでくれません。
我々薬剤師の役目は安心して薬を飲んでもらうこと。そのために副作用への過度な心配を無くしてあげる説明が重要です。
ここまで見て勘の良い方はお気付きかもしれませんが
人に伝えることの出来ないインプットだけの勉強法はほぼ無意味です。
薬剤師は皆さんに正確に伝える事が仕事です。
ぜひ、アウトプット(人に伝えること)する事を前提に勉強してみてください。
それを続けるとあなたの実力、周りからの評判は飛躍的に伸びるはずです♪
疾患について
代表的な疾患については主な症状や原因は抑えておきたい
例えばパーキンソン病を例にとってみましょう。
「パーキンソン病は中脳の黒質のドパミンが減少することによるものだからドパミンを補充することが薬物治療の一つ」や「パーキンソン病の主な症状は無動・振戦・筋強剛・姿勢反射障害があり、それぞれについてはこういった症状が代表的なんです。」など
ザックリとしたニュアンスでまずは十分なので最低限の知識を身につけましょう。
疾患について詳しくないといけないのは医師の仕事。薬剤師は患者様の質問に答えられるくらいの最低限の知識を身につけていれば十分だと思います。
薬剤師は、「薬剤師にしか分からない薬の専門知識」を多く身につけた上で、余裕が有れば病態のことも知っておこうかなという感じでいいと思っています。
患者様から質問された時に「全く見当もつかない」といった返事にならないようにだけ準備しておきましょうね。
パーキンソン病薬のように、薬の作用機序と繋げて覚えると、覚えなくても大体の検討がつくパターンも多いので
勉強の効率化におすすめです♪
代表的な疾患の検査値や検査方法も知っておくと尚良し
例えば糖尿病では見ておきたい検査値としては血糖値やHbA1cなどがあり、それは血液検査によって分かる。などザックリで良いので、最低限の知識を持っておきましょう。
また、余裕が有れば検査値の基準値、下限値、上限値まで覚えておくと服薬指導の幅が広がりますよ。
法規関係について
少なくとも自店の算定している調剤報酬点数は言えるように
必須条件として調剤基本料、後発医薬品調剤体制加算は点数や算定条件も込みで説明できるように。
その他、薬剤調整料、調剤管理料、服薬管理指導料(2022年現在)などの大枠も説明できるようになった方がいいと思います。
レセコンが発達したお陰で覚えなくても基本は自動算定してくれます。
しかし、その弊害として調剤報酬点数に疎い薬剤師が多いように感じます。
保険薬剤師として、調剤報酬点数についてある程度知っておかないと恥ずかしいと思うべきではないかとすら感じます。
その報酬が結果として薬剤師の給料に直結するのに、それを知らないままで
今後の調剤報酬の動向もチェックしないままで将来が不安にならないのは何故だろうと疑問にすら思います。
努力のしない薬剤師がこのまま安定して過ごせる時代の終わりが近づいていると感じています。
皆さんは是非、早い段階から努力をして薬剤師のサバイバル戦を生き残り、良い待遇を受けましょう♪
言うならば、保険薬剤師は保険(調剤報酬)が売り物です。
それはコンビニで弁当を売るようなものです。
「この商品いくらですか?」と言われて答えられないようでは店員としてイマイチですよね。
調剤報酬に詳しく無いと言うことは、それと一緒の事だと捉えてもらいたいです。
調剤報酬点数、その加算の算定基準、施設基準も覚えておくと頼られる
よく扱う一包化(現在は外来服薬支援料2)加算や在宅訪問薬剤管理指導料など、よく扱うものは当然覚えておいていただきたいです。
その他あまり使わないものも覚えておくと他の職員からかなり頼られると思います。
なぜなら覚えようとしない薬剤師が多いからです。
これを機に頼られる薬剤師へと進化しましょう♪
処方箋の保管期間、保険薬局の認定期間など店舗管理に関わること
これを知っておくと、他のスタッフから聞かれても答えられますし、
管理薬剤師等の管理者にとっては必要な知識だと思います。
大きなグループだと本社が管理してくれてると思いますが、個々の店舗薬剤師が把握しておくことも大事だと思います。
色んな話題がありましたが、皆さんいかがでしたか?
個人的には薬剤師のサバイバル時代のところが今回のミソだと思っています。
この記事を読んで危機感を覚えた方、やる気になった方がいらしたらそれはとても光栄な事です。
やる気になったのであれば、是非とも熱い気持ちの内に即行動をして
周りの薬剤師に一歩リードをとってもらいたいです。
薬剤師同士、切磋琢磨をして薬剤師戦国時代を乗り切りましょう!!
次回も乞うご期待!それではっ!!
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