(F)AGA 治療法を一緒に見ていきましょう!
※現役エリアマネージャーの薬局薬剤師が書いている記事ですので、信頼してお読みください♪
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まだ前編を読まれていない方はこちらの記事からチェック!
前編で”キーワード”とお伝えしたとおり、(F)AGA は進行性です。
したがって根治はしません。
さらに、服薬して薄毛が改善していっても、途中で服用をやめればまた治療前の状態に戻っていきます。
しかし、服薬を継続していれば、進行抑制をしながら、髪の毛の成長サイクルを正常に戻し、発毛させることで
希望の毛量に近づけることは可能です。
前置きが長くなりましたが、ここからは実際の治療方法についてご紹介します。
参考文献:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
薬物療法
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版によると、エビデンス(根拠)に基づいた治療法で、推奨されているものには以下14種類の手段があります。
※推奨度はA、B、C1、C2、Dに分類されており、それぞれ
A.行うよう強く勧める
B.行うよう勧める
C1.行ってもよい
C2.行わないほうがよい
D.行うべきではない
以上のように表現されています。
- フィナステリドの内服:A(男性型脱毛症)、D(女性型脱毛症)
- デュタステリドの内服:A(男性型脱毛症)、D(女性型脱毛症)
- ミノキシジルの外用:A
- 植毛術:自毛植毛術はB(男性型脱毛症)、C1(女性型脱毛症) 人工毛植毛は D
- LED および低出力レーザー照射:B
- アデノシンの外用:B(男性型脱毛症)、C1(女性型脱毛症)
- カルプロニウム塩化物の外用:C1
- t- フラバノンの外用:C1
- サイトプリンおよびペンタデカンの外用:C1
- ケトコナゾールの外用:C1
- かつらの着用:C1
- ビマトプロストおよびラタノプロストの外用:C2
- 成長因子導入および細胞移植療法:C2
- ミノキシジルの内服:D
今回はこれらの中から、推奨度の高い①〜③をピックアップしてご紹介していきます。
以下、ご紹介している医薬品は、薬価基準未収載品であり、健康保険が使えないため、治療及び薬剤費は全て自費となります。
(F)AGA は、治療しなかったとしても生死に著しく関わるものではないので、健康保険が使えないんです。
どういうことかというと、普段皆さんが病院に受診したり、薬局で薬を貰うときは健康保険を使えるので、1割〜3割の負担金で済んでいますが、
これらは健康保険が使えないので10割負担まるまるかかりまっせってこと。
なので、治療費がかさみます。”費用”と”自分のありたい姿”を天秤にかけ、慎重に治療開始するかの決断をしていただきたいと思っています。
フィナステリド内服( AGA )
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では、「男性型脱毛症にはフィナステリドの内服を行うよう強く勧める。一方、女性型脱毛症には行うべ きではない。」と記載されています。
フィナステリドとは成分の名前で、先発商品名でプロペシア®という医薬品です。 ※現在ジェネリックもございます。
医師の診察を受け、処方箋にて院内または薬局から受け取る薬ですね。
- 0.2mgと1mgの2規格あります。 ※通常1回0.2mg服用。必要に応じて適宜増量出来るが、1回1mgまでが上限。
- 毎日1回1錠ずつ服用します。
- 作用機序(働き方)としては5α還元酵素のⅡ型を阻害します。
- 効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要です。本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。なお、効果発現が早い人では3ヶ月の連日投与で効果が出るようです。
- 副作用には、性欲・性機能減退、女性化乳房などがあります。 ※子作りを考えている方は事前に医師に相談しましょう。
- 注意点としては、妊婦・妊娠している可能性のある女性、授乳婦には禁忌であること。 ※皮膚からも吸収するので、女性には薬に触れせないことが安全です。
- 食事の影響を受けないので、食事を気にせず服用可能。 ※だいたい毎日同じ時間に服用しましょう。
- 飲み合わせの悪い薬(相互作用)については報告がありません。 ※念の為、医師または薬剤師に確認してもらいましょう。
デュタステリド内服( AGA )
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では、フィナステリドと同様に「男性型脱毛症にはデュタステリドの内服を行うよう強く勧める。一方、女性型脱毛症には行うべ きではない。」と記載されています。
デュタステリドは成分の名前で。先発商品名でザガーロ®という医薬品です。 ※現在ジェネリックもございます。
医師の診察を受け、処方箋にて院内または薬局から受け取る薬ですね。
- 0.1mgと0.5mgの2規格あります。 ※※通常1回0.1mg服用。必要に応じて適宜増量でき、1回0.5mgまでが上限。
- 毎日1回1錠ずつ服用します。
- 作用機序(働き方)としては5α還元酵素のⅡ型とⅠ型の両方を阻害します。
- 効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要です。本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。なお、効果発現が早い人では3ヶ月の連日投与で効果が出るようです。
- 副作用には、性欲・性機能減退、女性化乳房などがあります。 ※子作りを考えている方は事前に医師に相談しましょう。
- 注意点としては、女性や小児、重度の肝障害患者には禁忌であること。 ※皮膚からも吸収するので、女性や小児には薬に触れせないことが安全です。
- PSA(前立腺特異抗原)の数値をマスク(本来よりも低い数値にしてしまう)するので、泌尿器科で検査を受けておく(※受診時には必ずデュタステリドを飲んでいることを医師にお伝えください)など、前立腺癌の見落としに注意する必要がある。
- 飲み合わせの悪い薬(相互作用)としては、「CYP3A4を阻害する薬と一緒に飲むと、本剤の代謝が阻害され、副作用が出やすくなる」という報告があります。 ※禁忌ではないが、念の為、医師または薬剤師に確認してもらいましょう。
5α還元酵素のⅠ型、Ⅱ型両方とも阻害するデュタステリドの方が、フィナステリドよりも効果が高いようですね。
また、どちらも後述するミノキシジルとの併用が可能であり、併用した方が効果的と言われているようです。
ミノキシジル外用 ( AGA )と( FAGA )
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では、「ミノキシジル外用を行うよう強く勧める(男性型脱毛症:5%ミノキシジル、女性型脱毛症:1%ミノキシジル)」と記載されています。
ようやくFAGA にも効果的な治療法のおでましだいっ!
ミノキシジルは、フィナステリドやデュタステリドなどの5α還元酵素阻害薬とは別の働き方をします。
ミノキシジルは毛細血管を拡張させて血流を良くする作用があります。
それにより酸素や栄養が毛母細胞まで行き届き、発毛を促すってわけ。
ちなみに有名な薬で言うとリアップ®がミノキシジルを主成分としていますね。
ミノキシジルは一般用医薬品なので、医師の処方が無くてもドラッグストアなどで購入することが出来るのもお手軽ですね♪
外用液なので、1日2回、頭に直接塗って使用します。
使用方法はそれぞれの使用説明書をよく読み、可能であれば薬剤師から指導を受けることをおすすめします。
早く効果を出そうと思って多めに使う人がいますが、ダメですよ〜!
用法用量を守って正しい使い方をしないとかえって痛い思いしますからね〜!
リアップの商品ページです。
興味のある方は商品説明をご覧ください。
※上が男性用、下が女性用ですのでお間違いのないようにお願いします。
初期脱毛に注意!事前に知っておくことで途中リタイアを防ごう!
今回ご紹介したフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルいずれも初期脱毛が起きると言われています。
初期脱毛とは、上記の薬剤を使用し、髪の毛の成長サイクルが正常に戻ることで、これまで生えていた成長の止まった髪の毛が、新しく成長してくる髪の毛に押し出される形で抜けていくものです。
これは、効果が出ている証明にもなるので喜ばしいことですが、それを知らないで初期脱毛が起きるとどうでしょうか?
「効果が無い!むしろ逆効果じゃないか!」とショックを受け、途中でリタイアしてしまう方が多いです。
服用開始2週〜8週あたりで初期脱毛が起きる方が多いようですが、それを乗り越えれば太く長い髪の毛に生まれ変わりますので
一度始めたら絶対に止めないようにしてくださいね!
スクラップ アンド ビルド!!
最初にも述べましたが、(F)AGA は進行性です。
服薬を止めるとまた元に戻ってしまうので、今までの苦労や費用が水の泡になりますよ。
こういった側面があるということも頭に入れ、今一度慎重に(F)AGAの治療を行うべきかどうか考えてみましょう。
悩みは人それぞれ。
この記事を読んでいるあなたの悩みを解決する一助になれれば幸いに思います。
個別に相談したいこと、記事にしてほしい事などあればお気軽にコメント、お問い合わせくださいませ♪
ではまた次の記事でお会いしましょう!
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